サブリースの問題点と問題が起きた時の対処法

『30年一括借り上げ』テレビCMなどでよく聞く謳い文句ですが、家賃の減額などをめぐってトラブルが多発していました。

 

これを受けて国交省がサブリースは将来、家賃が減額される可能性があることを説明することを徹底するよう制度改正を行いました。(平成28年9月1日から施行)

サブリースの仕組み
※サブリースの仕組み

通常、オーナーは入居者と直接契約をします。

不動産会社は募集や契約・管理業務などを行うだけです。

 

サブリースはオーナーと不動産会社が一括借上げの賃貸契約(マスターリース)をします。

賃料は相場の80~90%程度が一般的です。

不動産会社は一括借上げで契約した物件を入居者に貸し出します。(サブリース)

 

サブリースはオーナー・不動産会社双方にメリットがあります。

 

オーナー側は賃料が相場よりも安くても一括で借り上げてくれることで空室リスクがなくなり経営が安定します。

不動産会社はリーシングで満室にしてしまえば毎月、借上げ賃料と入居者が払う賃料の差額が利益になります。

 

なぜ双方にメリットがあるはずのサブリースでトラブルが多発するのでしょうか?

 

トラブルの原因は借上げ賃料の値下げと中途解約です。

 

●借上げ賃料の値下げ

一般的に借上げ賃料は数年ごと(契約書によって異なるが2年~10年が多い)に見直しがあります。

値下げがあることを説明しない業者とオーナーがトラブルになります。

「建物が古くなれば家賃は下がるので借上げ賃料は○年ごとに見直しがあります」

きちんと説明していればトラブルになることはありません。

 

しかし、30年間家賃が保証される(最初の契約賃料で)と誤認させたい業者はこれを説明しません。

国交省はこの点を問題視して制度改正に動いたのです。

 

●中途解約

物件はずっと満室でサブリースをしているのがもったいないと思うようになる人、たくさんいると思います。

しかし、サブリースの契約は一度締結してしまうと解約は難しくなります。

 

マスターリース契約では貸主=不動産オーナー、借主=不動産会社です。

借地借家法によって借主の権利は保護されるため貸主は正当事由がない限り契約を解除できません。

相応の金銭(立退き費用)が必要となります。解約したくても借主が応じてくれない限り解約はできません。

 

一度サブリースの契約をしてしまうと簡単にやめることができないのが問題なのですが、不動産会社もオーナーの都合で簡単に解約されてしまうとサブリースは事業として成り立たなくなってしまいます。

 

 

サブリースでトラブルになってしまった時はどのように対処すればいいのでしょうか?

●借上げ賃料の値下げ

 

値下げそのものは建物が古くなれば家賃が下がるので当然のことです。

しかし、値下げに応じられない状況(ローン返済など)であれば値下げを断固拒否するという方法があります。

 

値下げを断固拒否し続けるとオーナー側の希望額に近づけてくるか「値下げができないなら解約します」という方向に話が進みます。

 

解約して自分で管理すればいいのです。

借上げ賃料は相場の80~90%の家賃ですから10年間で下がった実際の賃料とそれほど変わりません。

 

自分で管理して運営すればもとの借上げ賃料程度の収入を得ることができる可能性があります。

 

●中途解約できない

 

借主である不動産会社は借家権で守られているためオーナー都合の解約はできません。

解約できるとすれば借上げ賃料の値下げ交渉の時期に値下げを拒否して解約に持ち込むという方法です。

 

どちらのトラブルも借上げ賃料の値下げ交渉の時が解決のチャンスになります。

(ただし、サブリース契約書の内容によっては該当しない場合もあります)

 

サブリース契約解除後に自分で管理をすることができない人は管理会社に5%程度の手数料を払って管理を委託して下さい。

 

管理会社に頼んでも空室が埋まらず収支が改善しないような物件の場合にはサブリースのトラブルというよりは需要のない場所に投資をしてしまった「投資そのものの失敗」です。

 

不動産のトラブルの大半は契約書や重要事項説明書をしっかりと読まない(説明を求めない)ことによるものです。契約の時には納得がいくまで話を聞くようにすれば多くのトラブルは起きることはありません。

 

トラブルになったと思って専門家に相談したら契約書の片隅に約定されていたというのはよくあることです。

書類はしっかり読むように注意してください。